WO2006030536A1 - 走行車両のブレーキ操作装置 - Google Patents

Abstract

　左ブレーキペダルと右ブレーキペダルが別々に設けられるブレーキ操作装置において、片効きを防止するための新規な構成を提案する。左ブレーキペダル１１と右ブレーキペダル１２が別々に設けられるとともに、前記両ブレーキペダル１１・１２を同時に操作するためのマスターブレーキペダル１３を設ける。また、前記マスターブレーキペダル１３は、前記左ブレーキペダル１１及び右ブレーキペダル１２の中央に配置され、前記マスターブレーキペダル１３が踏み込まれると、前記左ブレーキペダル１１及び右ブレーキペダル１２が下方へ押圧され、ブレーキが効かされる構成とする。

Description

走行車両のブレーキ操作装置

技術分野

[0001] 本発明は、左右一対の走行用車輪の左右夫々に作用する一対のサイドブレーキと

、左右に近接させて設けた一対のブレーキペダルとが各別に連係されている走行車 両のブレーキ操作装置に関するものである。

背景技術

[0002] 従来、乗用型農作業車としては、左右一対のブレーキペダルの一方に揺動自在に 連結片を設け、他方に、前記連結片を係脱自在に係止する係止部を設け、その連結 により、路上走行時等の高速走行時において、ブレーキペダルの一方に対する踏み 込み操作により、両ブレーキペダルを同時操作して、片ブレーキによる不測な旋回を もたらすことなぐ安全かつ迅速に停止できるようにしたものが知られている（例えば、 特許文献 1参照。）。

また、駐車時においては、前記係止部により両ブレーキペダルが同時操作される状 態としつつ、前記ブレーキペダルのいずれか一方をパーキングロック機構によりロック することにより、左右の走行輪をロックさせる構成も知られている。

また、上記の係止部の連結操作は人為的に行うものであり、操作忘れが生じること が想定されるため、このことに対して解決を図った技術も知られている（例えば、特許 文献 2参照。）。

また、左右一対のブレーキペダルを同時操作するためのマスターブレーキペダルを 別途設けた構成も知られている (例えば、特許文献 3参照。 ) ₀この文献で開示される 構成では、左右一対のブレーキペダルを左足で操作、マスターブレーキペダルを右 足で操作するレイアウトとなっている。また、二本の回動支持軸を並設し、一方の回 動支持軸では左右一対のブレーキペダルの回動軸体を、他方の回動支持軸ではマ スターブレーキペダルの回動軸体を枢支するとともに、前記回動軸体をリンク機構に て連動させる構成として 、る。

特許文献 1：特開昭 60-15282号公報 特許文献 2：特許第 2548441号公報

特許文献 3：特開平 9- 207732号公報

[0003] しかし、特許文献 2における技術は、前記係止部の連結操作を、作業機と走行車体 の連結解除を行うレバー操作に連動させることとするものであり、レバーと連結部とを 結ぶワイヤーが必要となり、構造が複雑となる。また、ワイヤーの橈みや、切断等によ つては、左右ブレーキの同時操作が行われないといった不具合も生じ得るため、信 頼性に欠けると 、つた問題がある。

また、特許文献 3における技術では、左右の足でそれぞれ異なるブレーキペダルを 操作する必要があり、急にブレーキ操作が必要となった場合には、操作を誤る恐れ がある。また、回動支持軸が独立して設けられるため、部品点数が多く装置構成が複 雑となり、そのための設置スペースの確保が必要となる。また、左右のブレーキぺダ ルとマスターブレーキペダルの回動軸体を連動させるためのリンク機構が必要となり 、このことも装置構成の複雑をもたらすことになる。さらに、前記リンク機構の存在によ り、動作の応答性が悪くなり、ブレーキ動作の信頼性が損なわれることになる（ブレー キの効きが悪くなる)。

また、前記パーキングロック機構については、係止部の連結操作を忘れてしまうと、 いわゆる片効き状態で駐車させてしまうことになる。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 解決しょうとする課題は、左ブレーキペダルと右ブレーキペダルが別々に設けられ るブレーキ操作装置にお 、て、ブレーキ動作の応答性 ·信頼性の向上を図るとともに 、ブレーキ操作装置の前後長さをコンパクトにし、片効きを防止するための新規な構 成を提案することである。

課題を解決するための手段

[0005] 即ち、本発明の走行車両のブレーキ操作装置は、左ブレーキペダルと右ブレーキ ペダルが別々に設けられるとともに、前記両ブレーキペダルを同時に操作するため のマスターブレーキペダルが設けられる走行車両のブレーキ操作装置とするもので ある。 [0006] また、本発明の走行車両のブレーキ操作装置は、前記マスターブレーキペダルは

、前記左ブレーキペダル及び右ブレーキペダルの中央に配置され、前記マスターブ レーキペダルが踏み込まれると、前記左ブレーキペダル及び右ブレーキペダルが下 方へ押圧され、ブレーキが効力される構成とするものである。

[0007] また、本発明の走行車両のブレーキ操作装置は、車両フレームに固定される設置 プレートの裏側には、回動支持軸が左右方向に設けられ、前記回動支持軸には、左 ブレーキペダルが固定される左ブレーキ回動筒、右ブレーキペダルが固定される右 ブレーキ回動筒、マスターブレーキペダルが固定されるマスターブレーキ回動筒が、 それぞれ回動自在に支持され、前記左ブレーキ回動筒には、右側走行車輪のブレ ーキ装置と連結される連結体が連結され、前記右ブレーキ回動筒には、左側走行車 輪のブレーキ装置と連結される連結体が連結され、左右の走行車輪を独立して制動 可能に構成されるものとする。

[0008] また、本発明の走行車両のブレーキ操作装置は、前記設置プレートは、水平の床 面と、該床面の前端部より前方斜め上方へ向う傾斜壁面と、該傾斜壁面の上端部よ り上方へ向う前壁面とから構成され、前記傾斜壁面の前方に前記回動支持軸が配置 される構成とするちのである。

[0009] また、本発明の走行車両のブレーキ操作装置は、前記マスターブレーキペダルは 、前記マスターブレーキ回動筒より延出されるアームに対して回動自在に支持される イコライザプレートと、前記前後アームに固定される踏み込みプレートから構成される こととする。

[0010] また、本発明の走行車両のブレーキ操作装置は、駐車の際に操作されるパーキン グレバーと、前記パーキングレバーの基端部が固設される回動アームを具備し、前記 回動アームには、前記マスターブレーキペダルの前後アームに設けた係合部材に対 向し、該係合部材に係合される係合部が設けられ、前記マスターブレーキペダルを 踏み込んだ状態で前記パーキングレバーをパーキング位置に操作し、前記係合部を 前記係合部材に係合させることにより、前記マスターブレーキペダルの踏み込んだ状 態が維持されるパーキングロック機構を設けることとする。

[0011] また、本発明の走行車両のブレーキ操作装置は、前記回動アームの回動位置を検 出するためのリミットスィッチを設け、前記リミットスィッチにより、前記マスターブレーキ ペダルが踏み込まれて ヽることを検知する構成とし、前記マスターブレーキペダルが 踏み込まれている場合にのみエンジンの始動が可能に構成されるものである。

発明の効果

[0012] 即ち、左ブレーキペダルと右ブレーキペダルが別々に設けられるとともに、前記両 ブレーキペダルを同時に操作するためのマスターブレーキペダルが設けられる走行 車両のブレーキ操作装置としたので、緊急時に誤って左右のブレーキペダルの!/、ず れか一方を操作してしまうといったこともなぐマスターブレーキペダルの操作によつ て、左右のブレーキペダルを同時に操作させることができる。これにより、緊急時にお ける片効きを確実に防止することができる。

[0013] また、前記マスターブレーキペダルは、前記左ブレーキペダル及び右ブレーキぺダ ルの中央に配置され、前記マスターブレーキペダルが踏み込まれると、前記左ブレ ーキペダル及び右ブレーキペダルが下方へ押圧され、ブレーキが効かされる構成と したので、構造が単純であり、信頼性が高ぐまた、低コストで製作することができる。

[0014] また、車両フレームに固定される設置プレートの裏側には、回動支持軸が左右方向 に設けられ、前記回動支持軸には、左ブレーキペダルが固定される左ブレーキ回動 筒、右ブレーキペダルが固定される右ブレーキ回動筒、マスターブレーキペダルが 固定されるマスターブレーキ回動筒が、それぞれ回動自在に支持され、前記左ブレ 一キ回動筒には、右側走行車輪のブレーキ装置と連結される連結体が連結され、前 記右ブレーキ回動筒には、左側走行車輪のブレーキ装置と連結される連結体が連 結され、左右の走行車輪を独立して制動可能に構成したので、各ブレーキ回動筒は 、一本の回動支持軸に枢支されており、従来の二本の回動支持軸が並設される構成 と比較して、部品点数の削減が図られる。また、リンク機構も必要ないことから、ブレ ーキペダルからブレーキ装置に至るまでの動作系統の剛性が高められ、ブレーキ動 作の応答性 ·信頼性の向上が図られる。

[0015] また、前記設置プレートは、水平の床面と、該床面の前端部より前方斜め上方へ向 う傾斜壁面と、該傾斜壁面の上端部より上方へ向う前壁面とから構成され、前記傾斜 壁面の前方に前記回動支持軸が配置される構成としたので、前記傾斜壁面の裏側 に回動支持軸を左右方向に架設するための空間を形成することができ、例えば、設 置プレートを側面視にお!/ヽて略 L字形に構成する場合と比較して、前記回動支持軸 をより後方に配置することができ、ブレーキ操作装置の前後長さをコンパクトにするこ とがでさる。

[0016] また、前記マスターブレーキペダルは、前記マスターブレーキ回動筒より延出される アームに対して回動自在に支持されるイコライザプレートと、前記前後アームに固定 される踏み込みプレートから構成されることとしたので、左右のブレーキペダルの操 作量が均等となって、車体を安定して制動させることができる。

[0017] また、駐車の際に操作されるパーキングレバーと、前記パーキングレバーの基端部 が固設される回動アームを具備し、前記回動アームには、前記マスターブレーキぺ ダルの前後アームに設けた係合部材に対向し、該係合部材に係合される係合部が 設けられ、前記マスターブレーキペダルを踏み込んだ状態で前記パーキングレバー をパーキング位置に操作し、前記係合部を前記係合部材に係合させることにより、前 記マスターブレーキペダルの踏み込んだ状態が維持されるパーキングロック機構を 設けることとしたので、駐車の際におけるパーキング操作を容易に行うことができ、ま た、片効きでの駐車が行われることがない。

[0018] また、前記回動アームの回動位置を検出するためのリミットスィッチを設け、前記リミ ットスィッチにより、前記マスターブレーキペダルが踏み込まれていることを検知する 構成とし、前記マスターブレーキペダルが踏み込まれて 、る場合にのみエンジンの 始動が可能に構成されるものとしたので、エンジン始動時においては、確実にマスタ 一ブレーキペダルが踏み込み操作されることになり、安全性を確保することができる ようになる。

図面の簡単な説明

[0019] [図 1]図 1は設置プレートから HSTまでの装置構成について示す平面図である。

[図 2]図 2は設置プレートの裏側の装置構成について示す図である。

[図 3]図 3はブレーキ装置の構成について示す底面図である。

[図 4]図 4はブレーキ装置の構成について示す斜視図である。

[図 5]図 5は同じく側面図である。 [図 6]図 6はイコライザプレートの構成について示す後面一部断面図である。

[図 7]図 7はリミットスィッチの作動状態について説明する図である。

符号の説明

[0020] 3 設置プレート

11 左ブレーキぺダノレ

12 右ブレーキぺダノレ

13 マスターブレーキぺダノレ

61 回動支持軸

発明を実施するための最良の形態

[0021] 以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。

尚、以下では、車両の前進行方向を前側、該前側に向って右方向を右側として説 明するものとする。また、図 1における紙面上側を前側、紙面右側を右側とする。 図 1に示すごとぐ車両フレーム 1にオペレーターの足場となるステップ 2が敷設され ており、同様に、前記ステップ 2の前方には、各種ペダルが設置される設置プレート 3 が敷設されている。また、前記ステップ 2の後方下方には、 HST4が配置されている。 該 HST4の後方には、遊星歯車機構を内装したギアボックス 5が配置されており、前 記 HST4と遊星歯車機構により、 HMT6 (Hydro Mechanical Transmission)が 構成されている。

[0022] 前記設置プレート 3の左側には、ブレーキ操作装置 10が配置されている。該ブレー キ操作装置 10には、左ブレーキペダル 11、右ブレーキペダル 12、そして、両ブレー キペダル 11 · 12を同時に操作するためのマスターブレーキペダル 13が設けられてい る。

前記ブレーキペダル 11 · 12は、それぞれ、リンク 15 · 16を介して図示せぬブレーキ 装置に連動連結されている。

[0023] また、前記設置プレート 3の右側には、変速操作装置 20が配置されて 、る。該変速 操作装置 20には、前進ペダル 21、後進ペダル 22が設けられている。

前記前進ペダル 21、後進ペダル 22は、リンク 24を介して斜板傾転角操作機構 30 に連結されている。該斜板傾転角操作機構 30は、ポンプ制御リンク 42を介して油圧 ポンプ 4Pのコントロールアーム 52、モータ制御リンク 41を介して油圧モータ 4Mのコ ントロールアーム 51に連結されて 、る。

[0024] 次に、ブレーキ操作装置 10について説明する。

図 2及び図 3に示すごとぐ車両フレーム 1に固定される設置プレート 3の裏側には、 該設置プレート 3の左右幅と略同一長さの回動支持軸 61が左右方向に設けられて いる。該回動支持軸 61は、設置プレート 3の裏側の左部に突設されるステー 3vと、右 部に突設されるステー 3yの間に架設される。

また、前記回動支持軸 61には、左ブレーキペダル 11が固定される左ブレーキ回動 筒 l la、右ブレーキペダル 12が固定される右ブレーキ回動筒 12a、マスターブレー キペダル 13が固定されるマスターブレーキ回動筒 13aが、それぞれ回動自在に支持 されている。

また、前記左ブレーキ回動筒 11aの右側端部には、右側走行車輪のブレーキ装置 と連結される連結体としてのリンク 15が連結される。また、前記右ブレーキ回動筒 12 aには、左側走行車輪のブレーキ装置と連結される連結体としてのリンク 16が連結さ れる。これにより、左ブレーキペダル 11、右ブレーキペダル 12の操作に応じて、リンク 15 · 16が独立して操作され、左右の走行車輪を独立して制動可能に構成される。尚 、前記連結体としては、棒状のリンク 15 · 16とするほか、ワイヤー等が考えられる。 以上の構成では、各ブレーキ回動筒 l la ' 12a' 13aは、一本の回動支持軸 61に枢 支されており、従来の二本の回動支持軸が並設される構成と比較して、部品点数の 削減が図られる。また、リンク機構も必要ないことから、ブレーキペダルからブレーキ 装置に至るまでの動作系統の剛性が高められ、ブレーキ動作の応答性'信頼性の向 上が図られる（ブレーキの効きを良くすることができる）。

[0025] また、図 2及び図 5に示すごとぐ前記左ブレーキ回動筒 l la、右ブレーキ回動筒 1 2a、及びマスターブレーキ回動筒 13には、それぞれ、前方斜め下方へアーム l lm' 12m' 13mが突設されており、各アーム l lm' 12m' 13mは、それぞれ戻しパネ l is •12s ' 13sを介して、前記設置プレート 3のフック係止板 3eに連結されている。前記 戻しパネ l is ' 12s ' 13sによって、各回動筒 l la' 12a ' 13aは、図 5において反時計 方向へ回動付勢されており、踏み込み操作がなされない場合では、各ブレーキぺダ ル 11 · 12 · 13は引き上げられ、ブレーキが効かないようになつている。

[0026] また、図 5に示すごとぐ前記設置プレート 3は、水平の床面 3hと、該床面 3hの前端 部より前方斜め上方へ向う傾斜壁面 3gと、該傾斜壁面 3gの上端部より上方へ向う前 壁面 3fとから構成され、前記傾斜壁面 3gの前方に前記回動支持軸 61が配置される 構成としている。

以上の設置プレート 3の形状によれば、傾斜壁面 3gの裏側に回動支持軸 61を左 右方向に架設するための空間を形成することができ、例えば、設置プレート 3を側面 視において略 L字形に構成する場合と比較して、前記回動支持軸 61をより後方に配 置することができ、ブレーキ操作装置 10の前後長さをコンパクトにすることができる。

[0027] また、図 4に示すごとぐ前記左ブレーキペダル 11は、前記左ブレーキ回動筒 11a より後方斜め上方へ延出される前後アーム l ibと、該前後アーム l ibより下方へ屈曲 し、その後、左方向へ屈曲されて構成される踏み込みアーム 11cより構成している。

[0028] また、図 4に示すごとぐ前記右ブレーキペダル 12は、前記右ブレーキ回動筒 12a より後方斜め上方へ延出される前後アーム 12bと、該前後アーム 12bより下方へ屈曲 し、その後、左方向へ屈曲されて構成される踏み込みアーム 12cより構成している。

[0029] また、図 4に示すごとく、前記マスターブレーキペダル 13は、前記マスターブレーキ 回動筒 13aより後方斜め上方へ延出される前後アーム 13bに、ペダルプレート 13dを 付設して構成されており、前記ペダルプレート 13dは、前記左ブレーキペダル 11の 前後アーム l ib、及び右ブレーキペダル 12の前後アーム 12bの上方に配置されて いる。また、この構成により、マスターブレーキペダル 13は、前記左ブレーキペダル 1 1、及び右ブレーキペダル 12の中央に配置されるようになっている。

[0030] また、図 4乃至図 6に示すごとぐ前記マスターブレーキペダル 13のペダルプレート 13dは、前記マスターブレーキ回動筒 13より後方へ延出される前後アーム 13bに対 し、回動筒 13uを介して回動自在に支持されるイコライザプレート 13pと、該ィコライ ザプレート 13pよりも後方であって、前記前後アーム 13bに固定される踏み込みプレ ート 13qと力 構成されている。また、前記イコライザプレート 13pは、ペダルプレート 13dが操作された際に、前記左ブレーキ回動筒 11aより後方へ延出される前後ァー ム l lb、及び前記右ブレーキ回動筒 12aより後方へ延出される前後アーム 12bに当 接する一方、前記踏み込みプレート 13qは、これら前後アーム l ib ' 12bとは当接し ない配置関係とされている。つまり、マスターブレーキペダル 13の踏み込み回動時 における平面視において、イコライザプレート 13pの両側と前後アーム l ib ' 12bの一 部とは重複するように配置されて 、る。

また、マスターブレーキペダル 13の構成により、前記踏み込みプレート 13qが操作 されると、前記イコライザプレート 13pが前記前後アーム l ib ' 12bを上側力も押圧し 、左右のブレーキペダル 11 · 12が同時に操作されることになつている。

尚、前記イコライザプレート 13pは、本実施例のように、踏み込みプレート 13qの近 傍に設ける構成とする他、前記前後アーム 13bの延出方向とは逆方向に配置される 、つまりは、設置プレート 3の裏側に配置される構成としてもよい。この場合において は、各回動筒 l la ' 12a' 13aにおいて、前記前後アーム l ib ' 12b ' 13bと反対側に 延出するアームを設け、これらのアームの下方にイコライザプレート 13pを配置する 構成とすることとなる。

[0031] 以上のブレーキ操作装置 10の構成によれば、緊急時に誤って左右のブレーキぺ ダル 11 · 12の!、ずれか一方を操作してしまうと 、つたこともなく、マスターブレーキぺ ダル 13の操作によって、左右のブレーキペダル 11 · 12を同時に操作させることがで きる。これにより、緊急時における片効きを確実に防止することができる。

また、マスターブレーキペダル 13の操作においては、イコライザプレート 13pが前 記前後アーム 13bを中心に揺動するため、前記前後アーム l ib ' 12bの押圧量が均 等となる。これにより、左右のブレーキの操作量が均等となって、車体を安定して制動 させることがでさるよう〖こなる。

また、ブレーキ操作装置 10の構造が単純であり、信頼性が高く（ブレーキの効きを 良くすることができる）、また、低コストで製作することができる。

[0032] 次に、パーキングロック機構 80について説明する。

本発明のブレーキ操作装置 10においては、マスターブレーキペダル 13により、左 右のブレーキペダル 11 · 12を同時に操作することができることから、駐車の際には、 前記マスターブレーキペダル 13を踏み込んだ状態でロックさせることによれば、左右 のブレーキを効かせることができる。 そこで、図 4及び図 5に示すごとぐ駐車の際に操作されるパーキングレバー 81と、 該パーキングレバー 81の基端部が固設される回動アーム 82を具備し、前記回動ァ ーム 82には、前記マスターブレーキペダル 13の前後アーム 13bに設けた係合部材 1 3vに対向し、該係合部材 13vに係合される係合部 82vが設けられ、マスターブレー キペダル 13を踏み込んだ状態で前記パーキングレバー 81をパーキング位置 8 lpに 操作し、前記係合部 81vを前記係合部材 13vに係合させることにより、マスターブレ ーキペダル 13の踏み込んだ状態が維持されるパーキングロック機構 80を設ける構 成とした。

図 5に示すごとぐ前記回動アーム 82は、設置プレート 3に設けたステー 3zに回動 自在に支持されており、ステー 3sに係止される戻しパネ 82sによって引っ張られ、図 にお 、て反時計方向へ回動付勢されて 、る。

また、回動アーム 82には、パーキングレバー 81の基端部が接続されており、パー キングレバー 81の動作に連動して回動される。駐車の際には、パーキングレバー 81 が図において時計方向に回動されて、回動アーム 82は、前記戻しパネ 82sの付勢 力に杭して時計方向へ回動される。また、パーキングレバー 81が操作されない場合 、つまり、駐車がされないときは、パーキングレバー 81は、前記戻しパネ 82sの付勢 力によってパーキング解除位置 8 Inにセットされる。

また、前記マスターブレーキペダル 13の前後アーム 13bの側部には、板状の係合 部材 13vが前後方向に設けられ、回動アーム 82の後ろ側面に設けた係合部 82vに 対向される配置となっている。また、係合部 82vは、側面視においてノコギリ状に構成 されており、そのいずれかの谷部に前記係合部材 13vが挿入され、両者が係合され るようになっている。この場合、前後アーム 13bは、マスターブレーキペダル 13の戻し パネ 13sの付勢力により時計方向に回動付勢され、係合部材 13vを上方へ移動させ る力が働くことになり、この力に対して回動アーム 82が上方へ引っ張られることにより 、回動アーム 82の回動が規制され、マスターブレーキペダル 13が踏み込まれた状態 力維持されること〖こなる。

以上の構成によれば、駐車の際におけるパーキング操作を容易に行うことができ、 また、片効きでの駐車が行われることがない。 [0034] また、図 5に示すごとぐ前記回動アーム 82の回動位置を検出するためのリミットス イッチ 85を設け、前記リミットスィッチ 85〖こより、前記マスターブレーキペダル 13が踏 み込まれていることを検知する構成とし、前記マスターブレーキペダル 13が踏み込ま れて 、る場合にのみエンジンの始動が可能に構成されることとして 、る。

この構成によれば、エンジン始動時においては、確実にマスターブレーキペダル 1 3が踏み込み操作されることになり、安全性を確保することができるようになる。

本実施例では、マスターブレーキペダル 13の操作状態に加え、パーキングレバー 81の操作状態をも検出して、オペレーターのエンジン始動の準備状態を検出するよ うにしており、以下、具体的構成について説明する。

[0035] 図 5に示すごとぐ前記リミットスィッチ 85は、設置プレート 3に突設されるステー 85a に取り付けられており、その検出部が下方に設けられて、前記回動アーム 82の上部 当接面 82a、及び前記係合部材 13vに対向し、マスターブレーキペダル 13の回動位 置、及び、回動アーム 82の回動状態を検出できるようになつている。

また、前記リミットスィッチ 85は、エンジンの始動をコントロールするコントローラと接 続されており、該コントローラは、リミットスィッチ 85の検出状態を認識できるようにして いる。

[0036] また、以上の構成において、前記マスターブレーキペダル 13が踏み込まれない場 合には、前記係合部材 13vが前記リミットスィッチ 85に接触される状態となる（図 7の 状態 Al)。

また、前記パーキングレバー 81がパーキング位置 81pにある場合には、前記回動 アーム 82の上部当接面 82aが前記リミットスィッチ 85に接触される状態となる（図 7の 状態 A2)。

また、前記マスターブレーキペダル 13が踏み込まれ、かつ、前記パーキングレバー 81がパーキング解除位置 8 Inにある場合には、前記係合部材 13v及び回動アーム 82のいずれもが前記リミットスィッチ 85と接触しない状態となる（図 7の状態 A3)。 以上のように構成し、一つのリミットスィッチ 85により、図 7の状態 A1— A3を検出で きることができるようにして!/、る。

[0037] そして、以上の構成において、前記コントローラは、前記リミットスィッチ 85が図 7の 状態 A3を検出したときにのみ、エンジンを始動可能とすることとしている。始動時に おけるオペレーターの意図的なブレーキ操作（マスターブレーキペダル 13及びパー キングレバー 81の操作）が完了し、エンジンを始動しても安全な状態であると判断で きるためである。

尚、エンジンのスタートキーを、マスターブレーキペダル 13から離れたところであつ て、かつ、座席に腰掛けなければ操作できない場所に配置することによれば、前記 図 7の状態 A3において、エンジンのスタートキーが操作された場合には、オペレータ 一が座席に腰掛けてエンジンのスタートキーを操作しているものと判断することができ るようになり、より安全にエンジンの始動を行わせることができる。

[0038] 一方、図 7の状態 Al、 A2においては、オペレーターによるエンジン始動の準備が 整っていないものであると判断できるため、この場合は、エンジンの始動はできないよ うにして、安全を確保することができる。

[0039] 以上のようにして、安全な状態で、エンジンを始動させることができる。

また、上記の構成では、マスターブレーキペダル 13の位置を確認することにより、リ ミットスィッチ 85を一つで足りる構成としており、左右のブレーキペダル 11 · 12の状態 を二つのリミットスィッチを用いて検出する構成と比較して、コスト削減を図ることがで きる。

産業上の利用可能性

[0040] 本発明の走行車両のブレーキ操作装置は、緊急時におけるブレーキの片効きを確 実に防止することができるものであり、広く走行車両において信頼性の向上を図るこ とがでさる。

Claims

請求の範囲

[1] 左ブレーキペダルと右ブレーキペダルが別々に設けられるとともに、前記両ブレー キペダルを同時に操作するためのマスターブレーキペダルが設けられる走行車両の ブレーキ操作装置。

[2] 前記マスターブレーキペダルは、前記左ブレーキペダル及び右ブレーキペダルの 中央に配置され、前記マスターブレーキペダルが踏み込まれると、前記左ブレーキ ペダル及び右ブレーキペダルが下方へ押圧され、ブレーキが効かされる構成として V、る、ことを特徴とする請求項 1に記載の走行車両のブレーキ操作装置。

[3] 車両フレームに固定される設置プレートの裏側には、回動支持軸が左右方向に設 けられ、

前記回動支持軸には、左ブレーキペダルが固定される左ブレーキ回動筒、右ブレ ーキペダルが固定される右ブレーキ回動筒、マスターブレーキペダルが固定される マスターブレーキ回動筒が、それぞれ回動自在に支持され、

前記左ブレーキ回動筒には、右側走行車輪のブレーキ装置と連結される連結体が 連結され、

前記右ブレーキ回動筒には、左側走行車輪のブレーキ装置と連結される連結体が 連結され、

左右の走行車輪を独立して制動可能に構成される、

ことを特徴とする請求項 1又は請求項 2に記載の走行車両のブレーキ操作装置。

[4] 前記設置プレートは、水平の床面と、該床面の前端部より前方斜め上方へ向う傾斜 壁面と、該傾斜壁面の上端部より上方へ向う前壁面とから構成され、前記傾斜壁面 の前方に前記回動支持軸が配置される、

ことを特徴とする請求項 1乃至請求項 3のいずれ力 1項に記載の走行車両のブレー キ操作装置。

[5] 前記マスターブレーキペダルは、前記マスターブレーキ回動筒より延出されるァー ムに対して回動自在に支持されるイコライザプレートと、前記前後アームに固定され る踏み込みプレートとから構成される、

ことを特徴とする請求項 1乃至請求項 4のいずれ力 1項に記載の走行車両のブレー キ操作装置。

[6] 駐車の際に操作されるパーキングレバーと、

前記パーキングレバーの基端部が固設される回動アームを具備し、

前記回動アームには、前記マスターブレーキペダルの前後アームに設けた係合部 材に対向し、該係合部材に係合される係合部が設けられ、

前記マスターブレーキペダルを踏み込んだ状態で前記パーキングレバーをパーキ ング位置に操作し、前記係合部を前記係合部材に係合させることにより、前記マスタ 一ブレーキペダルの踏み込んだ状態が維持されるパーキングロック機構が設けられ る、

ことを特徴とする請求項 1乃至請求項 5のいずれ力 1項に記載の走行車両のブレー キ操作装置。

[7] 前記回動アームの回動位置を検出するためのリミットスィッチを設け、前記リミットス イッチにより、前記マスターブレーキペダルが踏み込まれていることを検知する構成と し、

前記マスターブレーキペダルが踏み込まれている場合にのみエンジンの始動が可 能に構成される、

ことを特徴とする請求項 6に記載の走行車両のブレーキ操作装置。